公開日:2020年12月10日

不動産の相続登記とは?登記手続きの必要性・方法・費用などを解説

不動産 相続登記
  • 相続登記ってそもそも何?
  • 不動産を相続したら登記しないといけないの?
  • 相続登記はどうやってすればいい?

など、相続登記の疑問について説明いたします。

1.不動産の相続登記とは

不動産の相続登記とは、被相続人(相続される人・不動産の所有者)が死亡した場合に、相続した不動産について、被相続人から相続人に名義を移転する手続きのことを言います。

相続登記手続は司法書士が専門に取り扱っていることが多いですが、弁護士が取り扱っている場合もあります。

2.相続登記はなぜ必要なのか

2-1. 不動産の相続を第三者に対抗するため

不動産の相続登記をすれば、他の人に不動産を相続で取得したことを公に示すことができますが、相続登記をしなければ、他の人からは誰がその不動産の所有者であるかが分かりません。そのため、不動産を相続した相続人は、被相続人から相続人への所有権移転登記をすることとなります。

ところが、登記手続きを怠っているうちに、遺言や遺産分割の内容に反して他の相続人が不動産の所有権を第三者に譲渡した場合、その第三者と不動産を相続した相続人のどちらが所有権を取得するかといった問題が発生します。

この点について民法は、相続による不動産の所有権移転のうち、法定相続分を超える部分を第三者に対抗するためには、所有権移転登記を経由しなければならないと定めています(民法899条の2第1項参照)。

つまり、遺言や遺産分割協議で不動産を相続した相続人が、登記手続きを怠っていると、遺言や遺産分割の内容に反して他の相続人が不動産の所有権を第三者に譲渡した場合、第三者が法定相続分を超える部分の不動産の所有権を取得することとなってしまうのです。

このように法律で定められたのは、第三者は他の相続人が真の所有者であることを信用して取引したのにもかかわらず、後で、別の相続人から所有権を主張されることになり、第三者に不測の損害が発生してしまうおそれがあるからです。

遺言や遺産分割協議により不動産を取得した相続人にはこのようなリスクがありますので、速やかに所有権移転登記手続きを行うべきであると考えます。

ただし、法定相続分を超えない不動産の相続であっても、他の人から見て、誰が所有者であるかが不明確であることに変わりはありません。ですから、不動産の相続の場合は、法定相続分を超えていなくても、原則として相続登記を経る必要があるでしょう。

例えば、相続した不動産の売買や賃貸をすることになった場合、相続登記をしていないとデメリットが発生する可能性があります。通常、不動産の登記名義人になっていない方からは不動産を購入しませんし、不動産を賃貸する場合にも、登記上の所有者ではない方からは賃借しないでしょう。

このように、不動産を相続した場合は、速やかに、被相続人から相続人への相続登記することをおすすめします。

2-2. 相続登記を怠った場合の弊害

不動産の相続登記を怠ると様々な弊害が発生します。

例えば、他の相続人が勝手に不動産を第三者に譲渡してしまった場合に問題が生じます。

この場合、法律上は、自分の法定相続分に相当する持ち分については、相続登記を経なくても譲受人に権利を主張できますが、2019年7月1日施行の相続法の改正により、法定相続分を超える部分については、登記を先に備えた方が所有権を取得することになります。

譲受人が先に登記を備えた場合、不動産は自分と譲受人の共有となり、その後の管理や処分に重大な影響が生じます。例えば譲受人が二分の一、自分が二分の一の共有持分割合を持っている場合、共有物を賃貸することもできないし売却することもできません。共有物を貸す場合は共有者の過半数の同意が必要ですし、共有物を売却場合は全員の同意が必要だからです。

また、相続登記をしなかった場合に、相続人間でも権利関係が曖昧になるため、後日、不動産の所有権をめぐり争いが発生する場合もありますし、また、相続登記をせずに長期間放置したままで、その相続人にさらに相続が発生すると、誰が不動産の所有者であるかが分からなくなるという問題も発生します。

3.相続登記を行うにはどうすればいい?

3-1. 法務局で手続きを行う

相続登記を取り扱うのは法務局です。不動産の所在地を管轄する法務局で相続登記手続きを行います。

【参考】法務局ホームページ:管轄のご案内

3-2. 相続登記の必要書類

相続登記の必要書類は、法定相続分のとおりに相続した場合と、遺産分割協議によって相続した場合とで異なります。

①法定相続分のとおりに相続した場合

  1. 登記申請書
  2. 添付書類
    ・相続が発生したこと及び相続人を特定するための証明書
     具体的には,被相続人(死亡した方)の出生から死亡までの戸籍謄本、除籍謄本等のほか、相続人となる方々の現在の戸籍謄本が必要となります
    ・相続人全員の住民票の写し ・委任状(代理人が申請する場合)
  3. 登録免許税(通常は収入印紙で納付)
    通常は固定資産評価証明書が必要となります

②遺産分割協議によって相続した場合

  1. 登記申請書
  2. 添付書類
    ・相続が発生したこと及び相続人を特定するための証明書
     具体的には,被相続人(死亡した方)の出生から死亡までの戸籍謄本,除籍謄本等のほか,相続人となる方々の現在の戸籍謄本が必要となります
    ・遺産分割協議書遺産に加え、登記申請人以外の他の相続人の印鑑証明書(作成後3か月以内のものであることを要しません)が必要となります
    ・相続人全員の住民票の写し
    ・委任状(代理人が申請する場合)
  3. 登録免許税(通常は収入印紙で納付)
    通常は固定資産評価証明書が必要となります。

【参考】名古屋法務局・登記申請手続き案内

4.相続登記にかかる費用は?

4-1. 登録免許税

不動産の価額の1000分の4(0.4%)の登録免許税を納付する必要があります。不動産の価額は固定資産税評価額が基準になります。

【参考】国税庁ホームページ:登録免許税の税額表

4-2. 司法書士などに依頼する場合は依頼費用も必要

登記手続きは司法書士に代行してもらうとスムーズです。相続登記に必要な戸籍謄本は被相続人が生まれてから亡くなるまでの戸籍謄本が必要となり、その取り寄せが困難で複雑な事例が多いからです。また、戸籍謄本を取得する過程で新たな相続人が分かる場合もあります。

相続登記の手続は弁護士経由で依頼することも可能です。費用は、登録免許税の費用とは別に、不動産の価格や登記件数にもよりますが、4~5万円以上かかる場合が多いと思います。

5.相続登記はいつまでに行えばいい?

相続登記を行う法律上の期限は特にありませんが、相続登記を長い間放置しておくと様々な不利益が発生する可能性があります。

まず、相続登記をしなければ、相続した不動産を転売することが難しくなりますし、その不動産上に建物を建築したり、改築したりする場合に建築会社から建築や改築を断られる場合もあります。また、不動産を取得した相続人が亡くなることで、さらに相続が発生し権利関係が複雑化する場合もあります。

また、相続登記をしないまま放置しておくと、他の相続人により不動産を譲渡され、その不動産の譲受人に、法定相続分を超える部分については、自己の所有権を主張できなくなる可能性もあります。

そのため相続登記は、遺産分割協議が完了したら速やかに行っておくべきでしょう。

6.相続登記は自分で行うこともできる?

相続登記手続は、必ずしも司法書士に委任して行う必要はなく、自分で行うことも可能です。事前に法務局で相談に乗ってもらい、登記手続を進めるのも一つの方法です。

しかし、被相続人が生まれてから亡くなるまでに戸籍を転々としており、取り寄せが難しかったり、相続人の調査で時間がかかったりする場合もあります。中には被相続人が海外に行き戸籍の取り寄せが困難であるケースや、相続人が行方不明のケースもあります。

ですから、相続を弁護士に依頼している場合には、弁護士に対応を依頼するか、弁護士に司法書士を紹介してもらう方がスムーズだと思います。相続登記の依頼は、それほど大きく費用がかさむわけではなく、添付書類の収集など面倒な作業も代行してもらえるので、依頼をした方がいい場合も多いと思います。

7.まとめ

このように、不動産を相続する場合には、相続登記をする必要があります。相続登記は専門家に依頼せずに自分で行うことも可能ですが、書類の取り寄せや、相続人の調査が必要な場合などは、弁護士や司法書士に依頼した方がスムーズです。

当事務所でも提携している司法書士がおりますので、不動産の相続については、登記手続も含めてご依頼をいただけます。

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