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弁護士から手紙・遺産分割協議書が突然届いたら

弁護士から手紙・遺産分割協議書が突然届いたら

ある日突然、相続人の代理人を名乗る弁護士から手紙や遺産分割協議書が届くことがあります。

参考)遺産分割協議書の概要についてはこちら

被相続人が亡くなった場合、相続人同士で話し合って遺産の分け方を決めるのが基本となりますが、誰かが弁護士に依頼した場合はその弁護士が遺産分割協議に関与することになります。

専門家である弁護士から届いた遺産分割協議書であっても公平な内容であるとは限りませんので、不利にならないためにも相手方が弁護士を立ててきた場合の注意事項を押さえておくことが大切です。

今回は、弁護士から手紙や遺産分割協議書が届いた場合の注意点と対処法について、わかりやすく解説します。

1.弁護士から遺産相続に関する手紙・通知が届くケースとは?

弁護士から遺産相続に関する手紙や通知が届いたということは、相続人のうちの誰かが遺産相続の手続きを弁護士に依頼したということです。

弁護士は相続人の代理人として行動することができますので、代理人に就任したことを他の相続人に知らせるために手紙や通知を送付したといえるでしょう。

2.弁護士から連絡が来た場合にしてはいけないこと

知らない弁護士から手紙や遺産分割協議書が届いた場合、まず、以下のような行動をしてはいけないことを覚えておくべきです。

2-1.相続人と直接交渉する

被相続人が亡くなった場合、相続人同士で話し合って遺産の分け方を決めるのが基本となります。

しかし、相続人が弁護士に依頼をした場合、弁護士からの手紙には「今後は直接本人に連絡せず、代理人である弁護士宛てにご連絡ください」などと記載されていると思われます。そのため、弁護士から手紙が届いたら直接本人と交渉するのではなく、弁護士と交渉を進めていくようにしましょう。

なお、直接本人に連絡してはならない法律上の義務があるわけではありませんが、弁護士に依頼した以上、本人に連絡をしても「弁護士に連絡してください」と言われるだけ、というケースがほとんどでしょう。

2-2.弁護士からの連絡を無視する

弁護士からの手紙が届いたら、すぐに内容を確認するようにしましょう。

単に代理人に就任したという連絡であれば、こちらから特に行動することはありませんので、その後の連絡を待っていればよいでしょう。

他方、具体的な指示が記載されていたり、質問への回答を求められたりしている場合には、弁護士からの連絡を無視せず、期限までに対応するようにしてください。
弁護士からの連絡を無視していると、遺産分割の手続きが遅延するだけでなく、話し合いが困難であるとして遺産分割調停を申し立てられるリスクもあります。

すぐに回答することができないときは、「期限までに回答ができないため、しばらくお待ちください」などの簡単な手紙を送っておくとよいでしょう。

2-3.遺産分割協議書に安易に署名・押印をする

弁護士からの手紙に遺産分割協議書が同封されていることがあります。
手紙に「遺産分割協議書に署名・押印して、ご返送ください」などと記載されていたとしても、すぐに応じてはいけません。

弁護士が作成した遺産分割協議書であったとしても、すべての相続人にとって公平な遺産分割方法であるとは限りません。遺産分割協議書に署名・押印をしてしまうと後から撤回するのは困難です。

そのため、遺産分割協議書の内容をしっかりと確認し、わからない部分がある場合は自分も弁護士に相談するべきでしょう。

3.弁護士から手紙・遺産分割協議書が届いたときにとるべき行動

弁護士から手紙や遺産分割協議書が届いたときは、以下のような行動をとる必要があります。

3-1.遺産分割に関する資料の開示を求める

弁護士からの手紙に遺産分割に関する資料(相続人関係図、遺産目録など)が同封されていない場合には、遺産分割に関する資料の開示を求めるようにしましょう。
なぜなら、弁護士から遺産分割方法について提案があったとしても、遺産に関する根拠資料がなければ判断することができないからです。

弁護士から遺産分割に関する資料の開示があるまでは、遺産分割協議書への署名・押印はしないようにしてください。

3-2.特別受益や寄与分があるときはしっかりと主張する

遺産分割協議では、各相続人の法定相続分に応じて遺産分割をするのが基本となります。
しかし、公平な遺産分割を実現するために、民法では、特別受益の持ち戻しや寄与分といった制度を設けています。

生前に被相続人から多額の贈与を受けた相続人がいる場合には特別受益の持ち戻しを主張し、被相続人の介護などに貢献したなどの事情がある場合には寄与分を主張することが可能です。

特別受益の持ち戻しや寄与分は、自分から積極的に主張していかなければ考慮してもらえませんので、相手の弁護士に任せきりにするのではなく自分でも行動するべきです。

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4.遺産相続で不利にならないためにも弁護士に依頼すべき

相手が弁護士を立てたなら、こちらも弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士に相続問題を依頼すると、以下のようなメリットが得られます。

4-1.相手の弁護士との対応を任せられる

弁護士は依頼者の代理人ですので、依頼者の利益を最大限にするために行動します。そのため、相手の弁護士に対して適切な反論ができなければ、自分にとって不利な内容で遺産分割がまとめられてしまうリスクがあります。

リスクを回避するためにも、相手が弁護士を立てたならこちらも弁護士に依頼するのがおすすめです。
弁護士に依頼すれば相手の弁護士との対応をすべて任せることができますので、不公平な遺産分割になるのを避けることが可能です。

4-2.公平な遺産分割を実現できる

遺産分割では、こちらから積極的に主張していかなければ公平な遺産分割の実現は困難です。
弁護士であれば、相続開始までの具体的な経緯や状況を踏まえて、依頼者にとって有利な事情がある場合には法的観点から主張していくことができます。

一般の方では何をどのように主張すればよいか分からないような場合でも、弁護士であれば適切に対応することが可能です。

相手の弁護士に任せきりにしていては自分に有利な遺産分割を実現するのは困難な場合がありますので、早めに弁護士に依頼するようにしましょう。

4-3.早期解決が期待できる

当事者と弁護士、あるいは当事者同士との話し合いだと、無茶な要求をされてしまう、感情的な物言いをしてしまうなど、スムーズに話し合いを進められないケースも少なくありません。
一方、こちらも弁護士に依頼をすれば、弁護士同士の話し合いにより遺産分割の手続きが進んでいきます。

弁護士同士の話し合いであれば、調停や審判になった場合の着地点を理解していますので、多くの場合で調停や審判にまで発展せず早期解決が期待できるでしょう。

仮に調停や審判になっても、弁護士が法的手続きまで適切に対処をしてくれます。

5.まとめ

相続が開始すると、突然弁護士から手紙や遺産分割協議書が届くことがあります。こうなると、一般の方が弁護士を相手にして対応に話し合いを行うのは困難な場合があります。
相手が弁護士を立てた場合には、こちらも弁護士に依頼するか否かを検討した方が望ましいでしょう

突然弁護士から相続に関する手紙が届いてお困りの方は、まずはあたらし法律事務所までお気軽にご相談ください。

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