公開日: 2021年06月22日
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立ち退きのお願いを文書でするには?通知書の例文をパターン別に紹介

何らかの理由で賃借人に立ち退きのお願いをするとき、どこかの段階で文書(通知書)を送るのが一般的です。
しかし、「現在の状況でどのような文書にすればいいのか分からない」「効果的な文章の書き方を知りたい」という人も多いと思われます。

この記事では、立ち退き通知書のパターン別の例文、書き方、送付方法などをご紹介いたします。

1.文書で立ち退きのお願いをするべきケース

立ち退きといっても、

  • 賃貸人側(貸している側)の事情で契約を終了させ、立ち退きを求めるケース
  • 賃借人側(借りている側)の契約違反等の事情で契約を終了させ、立ち退きを求めるケース

と、大きく2つのケースに分けられます。

両方の理由が当てはまることもありますが、主としてどちらのケースで立ち退きを求めるのか、通知書を出す前に状況を整理しておくと良いです。

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1-1. 賃貸人側の事情

例えば、建物の老朽化で建て替えたい場合、再開発で建物を取り壊しする必要がある場合、自己都合で建物を利用したい場合などが挙げられます。

このケースで賃貸借契約を終了させるには、「正当の事由」が必要です(借地借家法28条)。

また、主に賃貸人側の事情で立ち退きを求める場合には、賃貸人側で当該借地・借家を必要とする事情の強弱にもよりますが、「立退料」の支払いが必要になることが通常です。

※立ち退き料の金額について合意に達した後は、後のトラブルを防ぐために合意書を作成します。その際、賃借人から賃貸人へ「立ち退き料請求書」を発行してもらい、それに基づいて支払いを行うことで、支払いの証拠を明確に残すことができます。

1-2. 賃借人の契約違反

典型例としては長期間の家賃滞納がありますが、増改築禁止特約違反、無断転貸、その他ペット禁止や楽器禁止などの契約違反などもあります。

これらは契約違反ではありますが、必ず契約解除が認められるわけではありません。
ただし、賃借人の契約違反があった場合の方が、少なくとも1-1の場合よりも「正当の事由」が認められやすい傾向にあります。

2.パターン別の立ち退き通知書例文

では、状況に応じて3パターンの立ち退き通知書の雛形をご紹介します。
なお、実際には賃貸借契約等の細かな状況により、異なる文が適切な場合もありますので、あくまで参考文例としてお使いください。

2-1. 賃貸人側の事情(建物老朽化等)による立ち退き通知書

状況にもよりますが、賃借人にいきなり立ち退き通知を出すのはよくありません。
最初は口頭で事情を説明して、可能な限り賃借人の理解を得るように努めることから始め、結果として賃借人に任意に立ち退きをしてもらう方が、解決までの時間の面でもコストの面でも望ましい場合が多いです。

なぜなら、いきなり立ち退きを求めると、賃借人の感情が悪化し双方の関係がこじれるのみならず、「正当の事由」の有無で争われることが多いからです。「正当の事由」の有無に関して裁判所で争われた場合、必ずしも賃貸人側に有利な判決が得られないことも多々あります。

従って、賃借人と協議した上で、必要に応じて正式に文書で出すのがよいかと存じます。

※画像はサンプルです。ケースバイケースですので、詳細は弁護士にご相談ください。

2-2. 賃貸借契約の解除と立ち退き通知をまとめて行う場合

仮に賃料の不払いがあったとしても、まずは賃料を口頭のみならず書面で期限を区切って請求し、なおも賃借人が賃料を支払わない状態が続くようでしたら、賃貸借契約の解除と立ち退きの通知をまとめて出す方法もあります。

もちろん、2-1と同様に単に解除の通知書を出すだけではなく、賃借人と協議した上で立ち退きを求めた方が望ましいでしょう。

※画像はサンプルです。ケースバイケースですので、詳細は弁護士にご相談ください。

2-3. 賃貸借契約終了後も立ち退かない賃借人への通知書

契約期間の満了や、何らかの理由で更新拒絶をしたにも関わらず賃借人が立ち退かない場合などには「正当の事由」が必要となりますが、その場合にも賃貸人による契約終了に伴う明渡請求の通知が必要となります。

この場合も2-1と同様、通知書を出す前に事前の協議や交渉が必要になります。

※画像はサンプルです。ケースバイケースですので、詳細は弁護士にご相談ください。

文書による通知や話し合いを重ねても賃借人が応じない場合、最終的には裁判(明渡し請求訴訟)へと進むことになります。
裁判所で貸主の主張が認められれば、裁判所から「退去命令書(明渡しを命ずる判決書)」が出され、それに基づき強制執行を行うことが可能になります。

3.立ち退き通知書の送付方法

契約期間の途中で立ち退きを求める場合、契約解除の通知(契約終了に伴う明渡請求の場合は、明渡請求の通知)は、明渡を求める裁判の証拠で必ず必要となるものであり、また賃借人に届いて初めて通知の効力が発生しますので、いつどのような通知書を出したか証明できるようにするため、配達証明付き内容証明郵便を使って出すのが望ましいでしょう。

内容証明は郵便局と差出人の手元に送付文書の謄本が保管されるため、立ち退き等を巡って争いになっても証拠として非常に大事です。

内容証明郵便に配達証明も付けることで、相手方に到着した日付も証明できることになります(ただし受取人が本人であることを証明するものではありません)

内容証明はインターネットからの手続きが便利(電子内容証明)です。

4.不動産の立ち退きについてよくある質問(FAQ)

不動産の立ち退き料の相場はいくらくらい?

立ち退き料は、「正当の事由」の正当性を補填するといった意味合いを持ちます。
立ち退き料は定まった算出方法があるわけではなく、事案に応じて個別に金額を決定します。

大別すると、

  1. 移転実費・損失補償から算出する方法(引越代や転居後の賃料と現在の賃料の差額等)
  2. 借家権の価格の全部または一部を基準に算出する方法
  3. ❶と❷を組み合わせて算出する方法

があります。

賃貸人・賃借人との話し合いで決めることができればその額が立ち退き料となりますが、もしまとまらなければ、裁判所で決めてもらう方法もあります。

弁護士に不動産の立ち退きをお願いした場合の報酬相場は?

不動産の立ち退きについて賃貸人がご自分で交渉すると、賃借人を感情的にさせてしまう、必要以上の立ち退き料を請求されるなど、不安材料が多くなることは事実です。
そこで、不動産の立ち退き交渉を弁護士に依頼することが選択肢の1つとなります。

しかし、弁護士に依頼する際に、気になるのが報酬額(弁護士費用)でしょう。

現在では、事務所が個々に弁護士報酬を定めることができるため、一口に相場を言うのは難しいですし、事案にもよっては着手金が100万円を超えるケースもあります。
一般的には、着手金として30万円~50万円程度、成功報酬として依頼人が得た経済的利益の額の10%~20%程度に相談料や実費を加えたものが目安です。

個々の事務所により弁護士報酬基準が異なりますので、依頼する事務所にご確認いただきたいと思います。

5.まとめ

立ち退き通知の文書自体は例文が多くありますが、状況によってどのような対応が適切か異なります。
賃借人の対応に不安がある場合などは、立ち退き通知書を出す前に一度弁護士に相談してみることを強くおすすめいたします。

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さらに言えば、立ち退き交渉は通知書を送って終わりではありません。合意後の立ち退き料請求書のやり取りや、退去時の立ち退き証明書の発行、さらには交渉が決裂した場合の退去命令書(判決)を見据えた法的対応など、段階に応じた適切な文書作成が必要です。

お一人で悩むより、経験豊富な弁護士に依頼して対応をまとめて任せるのがおすすめです。

あたらし法律事務所は、個人やテナントとの立ち退き交渉の経験も豊富ですので、安心してご相談いただけます。
不動産に関するお悩みは、当事務所にぜひご相談・ご依頼ください。

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