借地権を相続する際の手続きは?地主との関係や注意点も解説
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東京弁護士会所属、千代田区の弁護士事務所。法律相談を承ります。


- 隣人の備品などが、境界線を越えて自分の土地に置かれている
- 自分が所有している駐車場に、他人の自動車が無断駐車されている
- 自分が所有している空き地に、粗大ごみが不法投棄されている
このように、自分の所有している土地を他人が勝手に使用している場合は、所有権に基づく土地の明渡請求などを行いましょう。弁護士のサポートを受けることにより、無断使用されている土地を早期に奪還できる可能性が高まります。
今回は、他人に土地を無断使用された場合の対処法や注意点などを解説します。
目次
「土地に勝手に駐車された」「土地に勝手に物を置かれた」というような土地の無断使用については、民事・刑事上の法的責任が発生します。
他人が所有する土地を無断使用している者は、所有者に対してその土地を明け渡さなければなりません。
それだけでなく、土地の無断使用は不法行為(民法709条)に該当するため、所有者に損害が生じた場合には、その損害を賠償する責任を負います。
土地の無断使用によって所有者に生じる損害としては、以下の例が挙げられます。
土地を無断使用する行為については、刑法上の「不動産侵奪罪」が成立する場合があります(刑法235条の2)。
不動産侵奪罪は、他人の不動産を侵奪した者に成立する犯罪です。
「侵奪」とは、不動産に対する他人の占有を排除して、自己または第三者の占有を設定することをいいます。
たとえば、以下のような行為が「侵奪」に当たります。
不動産侵奪罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」です。
自分の土地が無断使用されていることを発見した場合、所有者は以下の対応で損害賠償請求等を行うことが考えられます。
- 土地の明渡し等を求めて協議する
- 土地明渡請求訴訟を提起する
- 刑事告訴する
土地の所有者は、その所有権に基づき、無断使用されている土地の明渡し(例:無断で放置されている物の撤去など)を求めることができます。
また、土地の無断使用によって損害が生じている場合には、無断使用者に対して損害賠償を請求することも可能です。
無断使用者が誰だかわかっている場合には、その者に連絡をとり、土地の明渡しや損害賠償に関する協議を求めましょう。無断使用者が示談に応じれば、土地の無断使用に関するトラブルを早期に解決できます。
一方、無断使用者が誰だかわからない場合には、まず無断使用者を特定しなければなりません。
自動車が放置されている場合には、ナンバープレートの記載などから所有者を特定できます。
一方、粗大ごみが不法投棄されている等では、物自体から所有者を特定することができません。この場合には、現場に監視カメラを設置するなどの方法が考えられます。
無断使用者を特定できたら、内容証明郵便などによって速やかに連絡し、土地の明渡しや損害賠償に関する協議を開始しましょう。
無断使用者が協議に応じない場合には、裁判所に土地明渡請求訴訟を提起しましょう。土地明渡請求訴訟では、併せて損害賠償を請求することもできます。
無断使用に関する土地明渡請求訴訟の提起先は、以下のいずれかの裁判所です。
不動産に関する訴訟は、訴額が140万円以下であっても、地方裁判所に訴訟提起することが可能です。
土地明渡請求訴訟の場合、訴額は明渡しを求める面積の割合により算定された固定資産評価額の4分の1です。
損害賠償を併せて請求する場合は、その金額が訴額に加算されます。
(例)固定資産税評価額が2000万円の土地のうち、10分の1に当たる面積の部分の明渡を求めるとともに、50万円の損害賠償を請求する場合
訴額
=2000万円×1/10×1/4+50万円
=100万円→訴額の観点では、簡易裁判所に提訴することになりますが、不動産に関する訴訟ですので、地方裁判所に提訴することも可能です。
訴訟において土地の明渡しを求めるためには、原告の「所有」と被告の「占有」を立証しなければなりません。また、被告から占有権限を主張された場合には、適切に反論する必要があります。
さらに、不法行為に基づく損害賠償を併せて請求する場合には、不法行為の成立要件(被告の故意または過失、違法性、損害、因果関係)も立証しなければなりません。
訴訟における上記の各対応には、専門的な準備と検討が求められますので、弁護士へのご依頼をおすすめします。
他人の土地を無断使用することについては、無断使用者について「不動産侵奪罪」により刑事告訴をすることも考えられます(刑事訴訟法230条)。
※配偶者、直系血族又は同居の親族は、不動産侵奪罪の罪に問うことができません。
刑事告訴をすると、警察などの捜査機関に捜査義務が生じます。
必ず犯人が検挙されるわけではありませんが、詐欺行為など悪質なケースでは検挙される可能性が高まるでしょう。また、無断使用者が誰だかわからない場合にも、捜査によって特定される可能性があります。
刑事告訴は、土地の近隣にある警察署などで行うことができます。刑事告訴の方法がわからない場合には、弁護士にご相談ください。
ご自身が所有する土地が無断使用されている場合、以下の各点に十分注意してご対応ください。
- 自力救済(強制撤去など)は認められない
- 無断使用されている土地については、時効取得に要注意
たとえば土地上に他人の車が放置されている場合には、別の場所へレッカー移動するなど、ご自身で手配した手段によって土地を奪還したいと考えるかもしれません(=自力救済)。
しかし日本の法律では、このような自力救済は認められていません。無断使用者に対して土地の明渡しを求めるためには、協議や訴訟などの法的手続きによる必要があります。
上記のような自力救済を行った結果、無断使用者の側に何らかの損害が生じた場合(車に傷がついた等)には、土地所有者の方が損害賠償請求を受ける可能性があります。
理不尽に思われるかもしれませんが、土地の無断使用に関するトラブルは、あくまでも法律上認められた方法によって解決を目指しましょう。
長期間にわたって土地が無断使用されている場合には、時効取得に注意が必要です。
以下の①または②の取得時効が完成した場合には、無断使用者が土地の所有権を原始取得し、ご自身は所有権を失ってしまいます。
①20年間の占有による時効取得(民法162条1項)
以下の(a)から(c)の要件を満たした上で、土地を20年間占有した場合に取得時効が完成します。
(a)所有の意思をもって占有を開始したこと
(b)平穏に占有を継続したこと
(c)公然と占有を継続したこと②10年間の占有による時効取得(同条2項)
以下の(a)から(d)の要件を満たした上で、土地を10年間占有した場合に取得時効が完成します。
(a)所有の意思をもって占有を開始したこと
(b)平穏に占有を継続したこと
(c)公然と占有を継続したこと
(d)占有の開始時において、土地の占有権限がないことにつき善意であり、かつ過失がなかったこと※占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ公然と占有したことは推定されます(民法186条1項)。
※前後の両時点において占有をした証拠があるときは、その間占有が継続したものと推定されます(同条2項)。
特に、相続によって取得した土地が無断使用されている場合などには、無断使用者による占有が長期間継続している可能性があります。
この場合、速やかに弁護士へご相談いただき、取得時効の完成を阻止する対応をとることをおすすめします。
例えば、以下のようなことが発生している場合、無断使用者に対して土地の明渡しを求めたり、損害賠償請求をしたり、土地明渡請求訴訟を提起する、刑事告訴をすることができます。
- 他人の土地に無断で建物を建てる。
- 他人の農地を無断で耕す。
- 他人の敷地に大量の廃棄物を堆積させ、容易に原状回復できない状態にする。
上記のような場合に刑法上の「不動産侵奪罪」が成立する可能性があります(刑法235条の2)。
不動産侵奪罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」です。
長期間にわたって土地が無断使用されている場合には、時効取得に注意が必要です。
長期(10年もしくは20年)にわたり無断使用を放置していると、無断使用者が土地の所有権を原始取得し、ご自身は所有権を失ってしまいます。
例えば、「所有の意思をもって占有を開始し」「平穏かつ公然に占有を継続して」いると、20年間の占有で取得時効が完成します。
他人の土地に家を建てて、平穏かつ公然に20年住み続ければ、住み続けた人はその土地の所有権を得るということです。
上記に加え、占有の開始時において、土地の占有権限がないことにつき善意であり、かつ過失がなかった(つまり、自分に土地の所有権があると善意で思い込んでいた)場合、10年間の占有で取得時効が完成します。
相続によって取得した土地が無断使用されている場合などには、無断使用者による占有が長期間継続している可能性がありますのでご注意ください。
なお、私人が国や市の土地を時効取得することは不可能ではありませんが、そのハードルはかなり高くなっています。時効取得を安易に考えるのはリスクがあると言えるでしょう。
土地の無断使用に関するトラブルを早期に解決するには、弁護士へご相談いただくことが近道です。
弁護士は、無断使用に関する事情の調査や法的検討などを経て、協議や訴訟など、適切な方法によりトラブルの解決を目指します。
他人に土地を無断使用されてお困りの方は、ぜひあたらし法律事務所の弁護士にご相談ください。

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