医師の離婚は、一般的な離婚と比べて複雑になりやすい傾向があります。特に、収入が高いことから財産分与や婚姻費用・養育費…[続きを読む]
ご相談の背景
相談のタイミング: 別居開始直後、調停を申し立てる前の段階から受任。
⑴ 状況
夫は高所得者であるものの、自宅の住宅ローンがある状態。また、夫側は「預貯金や株式は独身時代に築いたもの(特有財産)だ」と主張し、資産も過少に申告して分与を拒んでいました。
⑵ 課題
妻側としては、子供の教育環境を維持しつつ、いかに正当な取り分を確保し、かつローン負担のリスクから解放されるかが焦点となりました。
解決のポイント
⑴ 「特有財産」主張への反論
夫側は、「婚姻前の預貯金」や「親族からの贈与」を理由に、預貯金や株式等は特有財産であり、財産分与の対象にはならないと主張していました。
これに対し、当事務所では、口座の入出金履歴、取得時期、取得原資、婚姻後の増減、夫婦共有財産との混在状況などを確認しました。
その結果、相手方の特有財産の主張をそのまま前提とすることなく、財産分与の対象となる財産を適切に確保することができました。
⑵ ローン負担と不動産売却の決断
本件では、自宅に住宅ローンが残っており、離婚後にローン負担や不動産問題が残るリスクがありました。
一方が住み続け、住宅ローンを承継する方法も検討しましたが、金融機関の承諾や返済負担の問題があり、現実的には困難な面がありました。
そこで、自宅を売却し、売却代金から住宅ローンを清算したうえで、残額を財産分与として分配する方針を取りました。
⑶ 私立学校に通うお子様への「私学加算」
お子様が私立学校に通っていたため、算定表どおりの養育費だけでは、現在の教育環境を維持することが難しい状況でした。
そこで、ご主人の支払能力、これまでの学費負担の状況、私立学校への進学・通学についての経緯などを踏まえ、養育費に私学加算を反映するよう主張しました。
その結果、お子様の教育環境に配慮した内容で養育費を定めることができました。
⑷ 早期介入による資料確保
本件では、別居開始直後、調停を申し立てる前の段階からご相談いただきました。
高所得者の離婚では、預貯金、株式、不動産、保険、退職金見込額など、財産の種類が多くなる傾向があります。また、相手方から特有財産の主張が出ることも少なくありません。
そのため、早い段階で口座履歴、資産資料、不動産関係資料、ローン資料などを確認し、財産分与の対象となる財産を把握することが重要です。
本件でも、調停が本格化する前に資料を確認できたことが、適正な財産分与や養育費を得ることにつながりました。
解決の結果
調停・訴訟を経て、相手方の特有財産の主張をそのまま前提とすることなく、適正な財産分与や養育費(私学加算あり)を得ることができました。
また、不動産についても売却により住宅ローン負担を解消し、離婚後にローンや不動産問題が残り続けるリスクを避けることができました。
弁護士の視点
高所得者の離婚では、財産分与、婚姻費用、養育費のいずれも金額が大きくなりやすく、早い段階で資料を確保することが重要です。
特に、預貯金や株式について特有財産の主張が出た場合には、単に相手方の説明を受け入れるのではなく、婚姻前後の残高、入出金履歴、贈与の有無、家計との混在状況などを確認する必要があります。
また、住宅ローンが残る不動産については、誰が住み続けるのか、誰がローンを負担するのか、不動産を売却するのか、金融機関の承諾が得られるのかを含め、現実的な解決方法を検討する必要があります。
本件では、特有財産の主張と住宅ローンの問題を資料に基づいて検討することで、依頼者にとって不利な財産分与を避け、適正な内容で解決することができました。
解決事例カテゴリー
離婚相続不動産債務整理企業法務 










