公開日: 2020年04月27日
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法人破産手続きの流れ

法人 破産

会社を経営していると、さまざまな事情から事業の継続が困難になり、法人破産を検討する経営者の方もいらっしゃると思います。

法人破産は、債務超過などによって債務の返済が困難になった会社について、法人を清算する手続きをいいます。
裁判所による破産手続開始決定により、破産管財人が資産を処分し、債権者への配当を行った上で、法人の負債だけでなく法人格自体が消滅します。

こうは言っても、破産手続がどのように進むのか具体的はイメージが掴めず、不安を感じる経営者の方も多いでしょう。

今回は、法人破産手続きの一般的な流れについて解説します。

1.法人破産手続の基本的な流れ

法人破産手続は、簡単に言うと以下のような流れで進んでいきます。

  1. 弁護士相談、申立て準備
  2. 破産手続開始の申立て
    ・債務者審尋
  3. 破産手続開始決定
    ・破産管財人の選任
    ・債権者集会
    ・配当
    ・破産手続終結決定
  4. 免責審尋、免責決定

2.具体的な手続きの内容

上記を踏まえ、法人破産手続の具体的な流れについて説明します。

(1) 相談・準備

法人破産を行うためには、専門的な知見が必要になります。
経営に行き詰ったなどの理由で法人破産を検討するようになった場合には、早めに弁護士に相談をしましょう。

①倒産手続きの選択

法人の倒産手続きには、法人破産、特別清算という清算型の手続きがある他、民事再生、会社更生などの会社を存続させる再建型の手続きもあります。

弁護士は、会社経営者から会社の概要、これまでの経過、事業内容、資産・負債の内容、損益の状況、従業員の状況などをヒアリングしたうえで、最適な手続きの選択を行います。

経営者からヒアリングをした内容を踏まえても、多額の負債があり会社の再建が難しい場合には、法人破産を選択して手続きを進めていくことになるでしょう。

②破産申立時期の検討

法人破産を選択した場合には、破産申し立てをいつ行うのかという具体的な時期を検討します。

法人破産の場合には、多数の債権者や取引先などが存在することが通常であり、裁判所への破産申立てが遅れると債権者だけでなく取引先や顧客などにも多大な影響と迷惑をもたらすことになります。

よって、関係者への影響を最小限にするためにも、法人破産を選択した場合には、迅速に法人破産の申し立てに着手し、準備を進めていく必要があります。

なお、個人の破産では、弁護士に依頼後、債権者に受任通知を送るのが一般的ですが、法人破産の場合には、受任通知を送ることによって混乱を招くことがありますので、受任通知の発送を行わないこともあります。
(ただし、申立てまでに相当期間を要するような事案では、受任通知を発送することもあります。)

③従業員の解雇

法人について破産手続開始決定(後述)がなされると、法人が雇用している従業員については破産管財人によって解雇されることになりますが、一般的には、破産手続開始決定前に従業員の解雇を行います。

従業員の解雇にあたっては、解雇予告手当の支払い、退職金の支払いなど一定の支出が必要になりますので、その準備も必要となります。

従業員の賃金の支払いが難しいという場合には、未払賃金立替払制度の案内もする必要があります。

参考:未払賃金立替払制度の概要と実績|厚生労働省

(2) 破産手続開始の申立て

破産申し立ての準備ができた段階で、裁判所に破産手続開始の申立てを行います。

①必要書類

法人破産の申し立てにあたっては、以下のような書類が必要になります。

  • 法人登記の全部事項証明書(3か月以内のもの)
  • 貸借対照表・損益計算書(直近2期分)
  • 清算貸借対照表(破産申立日現在)
  • 税金の申告書控えの写し(直近2期分)
  • 不動産登記の全部事項証明書(3か月以内のもの)
  • 賃貸借契約書の写し
  • 預貯金通帳の写し(過去2年分全て)
  • 車検証または登録事項証明書の写し、自動車価格査定書の写し
  • ゴルフ会員権証書の写し
  • 有価証券の写し
  • 生命保険証券の写し、解約返戻金計算書の写し
  • 訴訟関係書類のコピー

また、破産手続を開始するためには、裁判所が定める予納金の支払いが必要になります。

東京地裁での少額管財事件の場合には予納金は20万円で済みますが、そうでない場合には、負債総額に応じて高額な予納金を準備しなければならないこともあります。

②債務者審尋

裁判所に破産手続開始の申し立てをすると、破産手続開始要件の審査のために、裁判所において債務者審尋が行われます。

債務者審尋では、裁判官から、申立人および申立人代理人弁護士に対して、債権者の数、財産・負債、事業内容、破産申立てを行うに至った経緯などについて聞き取り調査が行われます。

裁判所によっては、債務者審尋を行わずに、書類審査だけで破産手続開始決定を出すところもあります。

(3) 破産手続開始決定

裁判所において、破産手続開始原因があると判断した場合には、破産手続開始決定がなされます。
また、破産手続開始決定と同時に、裁判所は破産管財人を選任します。

①破産管財人とは

破産管財人は、破産手続において法人の財産を管理・処分して、債権者への配当を行う役割を担う人であり、弁護士が選任されるのが一般的です。

破産手続開始決定によって、法人の財産の管理処分権限はすべて破産管財人に移りますので、それ以降は、破産者自身が財産を処分することはできなくなります

また、破産手続開始決定によって、債権者は個別の権利行使が禁止されますので、法人への直接の取り立て行為ができなくなります

②債権者集会

破産手続開始後、一定期間後に債権者集会が開催されます。
債権者集会では、債権者に対して、破産者が破産に至った経緯や破産管財人による財産の調査結果・換価状況、今後の方針などの報告が行われます。

法人に換価すべき財産があるなど管財業務が未了の場合には、破産手続は続行しますので、その後も約3か月に1回というペースで債権者集会が開催されます。

③配当

法人の財産の換価・処分が終了して、債権者に対して配当を実施することができるだけの原資が確保できた場合には、配当の手続きが行われます。

破産管財人は、債権者の法的な優先順位に従い配当を行います。
同順位の債権者に対しては、各債権者の債権額に応じて按分して配当が行われます。

④破産手続終結決定

法人に配当すべき財産がなければ異時廃止決定により破産手続は終了します。

配当手続が行われた場合には、破産手続終結決定によって破産手続が終了します。

(4) 免責審尋・免責決定

法人破産には免責手続という概念はありませんが、法人破産と同時に法人代表者個人の自己破産を申し立てた場合には、債務の免責を認めるかどうかを判断する期日が開催されます。
(免責とは、借金を0にすることです。)

免責を認めるかどうかについては、破産管財人の意見をもとにして裁判官が判断します。

3.法人破産手続に要する期間

法人破産の手続きは上記のとおりですが、法人破産の申立から終結までのおおよその期間としては、4か月〜10か月程度を要します。

法人に換価・処分すべき財産がなければ、第1回の債権者集会で終結することもありますが、換価・処分すべき財産が多く、容易に換価できないような場合には1年以上手続きが続くこともあります。

4.法人破産手続をご検討中の経営者の方は弁護士に相談を

会社の経営に行き詰っているなどの理由で法人破産を検討している経営者の方は、早めに弁護士に相談をするようにしましょう。

(1) 適切な手続きの選択についてアドバイスしてもらえる

経営者としては、法人破産しか選択肢がないと考えていたとしても、会社の資産・負債、収支状況など客観的な資料を持参し、弁護士に相談をすることによって、法人破産以外の手段を提案してもらえることもあります。

最適な手段を選択することによって、会社を清算するという方法ではなく、再建することも可能になるケースもありますので、まずは専門家である弁護士の判断を仰ぐことが大切です。

そのうえで、法人破産を選択するしかない、という場合でも、多角的な視点から適切で迅速な手続きをアドバイスしてもらうことができます。

(2) 複雑な破産手続をすべて任せることができる

法人破産の手続きは非常に複雑な手続きですので、弁護士に依頼をすることなく進めていくことは困難だといえます。

法人破産を選択した場合には、迅速に破産手続開始の申し立てを行い、破産管財人への引継ぎを行わなければ、会社財産の流出などによって債権者や取引先、従業員などに対して多大な迷惑をかけてしまうこともあります。

そのため、法人破産を行う場合には、弁護士のサポートが不可欠だといえます。

5.まとめ

今回は、法人破産の一般的な手続きの流れについて解説しました。

法人破産をする場合には、予納金や弁護士費用の支払いが必要になりますので、経営状況が悪化して資産がなくなってしまうと法人破産の申立が難しくなってしまいます。
そのため、法人破産を検討している場合には、早めに弁護士までご相談ください。

あたらし法律事務所では、法人破産のご相談をお受けしております。新しい一歩を踏み出すサポートしてまいりますので、どうぞお気軽にご相談下さい。

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