ご相談の背景
ご依頼者様は、長年にわたり建物を賃貸している貸主の方でした。
賃貸借契約の締結後、長期間にわたって賃料が据え置かれていましたが、その間に周辺の賃料相場や固定資産税、建物の維持管理費などが変化していました。
ご依頼者様としては、現在の賃料が周辺相場と比べて低額になっていると感じており、賃借人に対して賃料増額を求めたいと考え、当事務所にご相談されました。
もっとも、賃借人が任意に増額に応じるとは限らず、増額の根拠をどのように示すか、交渉や調停をどのように進めるかが問題となりました。
問題点
本件では、主に以下の点が問題となりました。
- 賃料が長年据え置かれていたこと
- 現在の賃料が周辺相場と比べて低額となっている可能性があったこと
- 固定資産税や維持管理費の負担が増加していたこと
- 賃借人が賃料増額に応じるか
- 増額の根拠となる資料をどのように整理するか
- 交渉で解決できるか、調停・訴訟を見据える必要があるか
当事務所の対応
当事務所では、まず、賃貸借契約書、これまでの賃料の推移、更新の経緯、固定資産税等の負担状況、周辺の賃料相場を確認しました。
そのうえで、現在の賃料が周辺相場や物件の状況と比較して適正といえるかを検討しました。
賃料増額を求めるにあたっては、単に「相場より安い」と主張するだけではなく、近隣類似物件の賃料、固定資産税の変動、建物の利用状況、契約締結時からの事情の変化を整理しました。
また、賃借人との関係が長期にわたることも踏まえ、まずは交渉による解決を目指し、必要に応じて賃料増額調停や訴訟も視野に入れながら対応しました。
解決結果
交渉の結果、賃借人との間で賃料増額について合意することができました。
これにより、ご依頼者様は、長年低額なまま据え置かれていた賃料を、より適正な水準に近づけることができました。
また、増額の根拠となる資料を整理したうえで交渉したことで、感情的な対立を避けながら、今後の賃貸借関係を継続できる内容で解決することができました。
弁護士の視点
賃料は、契約締結後の事情の変化により、現在の経済状況や周辺相場と合わなくなることがあります。
長期間賃料が据え置かれている場合でも、固定資産税、土地建物価格、周辺賃料、物件の利用状況などを踏まえ、賃料増額を求める余地があります。
もっとも、賃料増額を求めるには、増額の根拠を資料に基づいて示すことが重要です。また、賃借人との関係を継続する場合には、交渉の進め方にも配慮する必要があります。
本件では、周辺相場や固定資産税等の事情を整理して交渉したことで、賃貸借関係を維持しながら、賃料を適正な水準に近づけることができました。











