税法研究会

2018年の1月に入所しました、藤本彰則と申します。日々の業務に多少は慣れると共に弁護士業務の難しさや、奥深さを感じる毎日を過ごしております。

さて、弊所では、税法について研究会を開催することになりました。所長の新弁護士のアイデアで、他の法律事務所の弁護士も交え、弁護士5人で、行いました。

今回の研究会に向けて、準備をしていく中で、基本的な法律問題の中にも重要な租税の問題は数多く存在していることにハッとさせられました。

たとえば、①不動産の財産分与を行うと、財産分与を行った者には課税がされるのか、②時効の援用をして利益を受けた者はいつの時点を基準にして課税されるのか、等日常の業務でも大きく関係してくる問題があります。

上記①について、財産分与とは、離婚に際しては、婚姻中共同して得た財産の清算合意として行われるもので、弁護士は関わることが多い問題です。通常財産を分与する分与義務者は財産を手放すことになるため、譲渡所得税は課税されないと思うのが普通ではないでしょうか。しかし、最高裁昭和50年5月27日第三小法廷判決(民集29巻5号641頁)は、不動産の財産分与義務者には、「分与義務の消滅という経済的利益を享受したもの」であるから譲渡所得が発生しうると述べています。逆に、財産分与を受けた者は、原則として譲渡所得税が課税されることはありません(相続税法基本通達9-8参照)。

上記②について、時効には遡及効というものがあり、時効を援用すると、占有の開始時から土地を持っていたのと同じ状況になるとされています。そこで、時効を援用した時点か、不動産の占有を開始した時点で課税がされるのかは、課税総額が大きく変わるため、重要な問題です。

結論としては、時効の援用によって、時効利益を享受する意思が明らかになり、かつ一時所得にかかる収入金額明らかになることから、時効を援用した時に一時所得にかかる収入金額が発生するとされています(静岡地裁平成8年7月18日判決、(行集47巻7=8号632頁)参照)。いつの時を基準に課税がなされるのかは、重要な問題であることから、弁護士としては、よく理解しておかなければなりません。

このように、弁護士業務にあたり知っておくべき知識は少なからずあるため、税法に精通することは重要だと思います。

勉強会後は、ある弁護士の先生にとても美味しいイタリアンに連れて行っていただきました。勉強会後の食事会も楽しみにして頑張っていきたいと思います。

 

代表弁護士 新 有道
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